昨年、「何かオリジナルアイテムは作れないかな」「またはお店のらしさをつくれないものか?」と、思いついたまま中野表具店さんを訪問して、1年以上経ち、それほど名案は思いついてはいないけれど、再び訪問しましたので、記録とともに振り返りたいと思います。
表具屋さんの個性的な素材たち
前回もそうですが、毎回訪れるたびに知らないことをたくさん教えてくださって、どうしてもメモしておかずにはおれません。話がランダムになりますが、記録していきますね。
端切れをカードにしたい
昨年中野表具店さんを訪問した後、しばらくいろいろ試し試しにやっていましたが、最後に落ち着いたのはカードでした。さいえでお買い物した方の中には、カードを目にした方もいるかもしれません。それでもまだ、納得したわけではないですが、カードであるなら襖紙も大きな面積でなく、端切れを分けていただくのが良いかもしれないと思いいたりました。
それぞれに魅力がある
個人的な感想ですが、表具屋さんで使われている素材(主に紙系の素材)は、なぜか気になるんですよね。美しくて、模様も個性的で、意味が込められていたり、歴史を感じたり、時には宗教の厳格さもあったり、そして、めちゃくちゃ手が込んで作られていたり。さいえとしてではなく、個人的に表具を依頼すればいいだけなのか?!とも思ったりしますが、その魅力を私なりに伝えたいと思います。
パルプと楮(こうぞ)
パリッと千切れるのはパルプの紙。繊維がふさふさなのは楮の手すき和紙(多分)
どちらも一長一短あるので、大事なのはその素材の特性を最大限活かすことかな、と思いました。一見短所に見えても、使いようによっては長所にもなる。素材を知ることはめちゃくちゃ大事だと思います。
模様づくりの技法
こちらはたまたま見せてもらった襖紙の模様。
もみがみ?と言っていたと思うのですが、クチャっとして模様をつけるのだそうです。
センス良すぎます。そして、この紙がメジャーだった時代はこの技法は一般的なランクのものだったそうですが、今では作っている人がいないために、珍しいものとなっているそうです。
いつの時代がメジャーだったんでしょうか?私の好きな江戸かな?オシャレすぎて(あー、江戸行ってみたい。誰か江戸の町作ってくれないかな笑)・・・胸が痛くなりますね^^
リサイクルが当たり前
襖の下張り(と言ったはず)には、大福帳が使われるそうです。秘密を隠蔽するためではなく・・・、この紙が適しているのだそうです。この紙も、今では出に入りにくくなっているとか・・・。最近はみんなシュレッダーをわざわざ使っていますが、このようにリサイクル可能用紙を最初から使っておれば、シュレッダーすることもなく再利用できるのですね。(個人情報の取り扱いはできませんが)
こんな風にものを大事に、修理して、補修して、という世界。日本人には、こういうものの見方から仕組化した世界のほうが案外なじむのではないかな?などと、はるばる思いが巡ってしまいました。
最後はきれいに仕上げられて、大福帳もすっかり見えなくなりました。
そして、何枚も重ねられているとは思えない表情もすごいですよね。私1枚ですよ。みたいなそぶりです。実際は11枚くらいだと聞きました。
機会と手作業
似たような模様でも、機械で作られたものと、手作業で作られたものがありました。
手作業で作られたものというのは、なんとも味があって、優しい雰囲気。でも、整然とした機械で作られたものも素敵でした^^
本当に模様の宝庫のような表具屋さんの紙の数々。
私は個人的に、かなりの紙好きなのかもしれない、と思います^^
表具屋さんの風景
前回撮れなかった写真。それでも少しだけですが、撮ってきました。
令和の現在にも職人さんは現役でお仕事されています。
このような職場を見ると、自分の仕事場も整えたい!と何故か思うのでした。
今回は少し端切れをいただいて帰ってきました。
2回目の訪問ですが、興味のある分野でさいえらしく表現していきたい・・・などなど思うことはたくさんあります。まだ名もなきプロジェクトのピースを、ここに書き留めておいて、今後に繋げていきたいと思いました。
端切れですが、
表具屋さんとリンクできるような再利用方法で、さいえのアイテムにもリンクできるような、そのようなものを形にしたいと思います。と言って、全然違う形になっているかもしれませんが。
一部、掛け軸の緞子(どんす)の端切れもあります。細い細い端切れ。
この細さを活かせたらいいな、と思います。
この細さを活かしたいですね。
中野表具店さんについて
今回も大変お世話になった中野表具店さん。
中野さんのサイトもいろいろな襖のサンプル画像が見れます。
一部商品は通販もされていて、襖紙もショップで見れます。
パネルがあったり、額装など、いろいろな表装のお仕事、ぜひ見てみてください。
▼表具(襖・障子・屏風・掛け軸など)のご用命はぜひ中野表具店さんへ。
さいえも参加している『ゆる和室らじお』で一緒に話している建築設計室Morizo-さんとのプロジェクトには、中野表具店さんも参加されていました。
▼器プロジェクト