さいえ店主のオリジナル商品を作る旅2

襖紙

ひさびさのオリジナル商品を作る旅…
最近始めた店長の「さいえのゆるらじお」というポッドキャストで、自分でしゃべりながら、今までブログでも書いてこなかったさいえの未来を少しだけ感じて、まだできていない取り組み中のことや今後ボツになるかもしれない小さな企画の芽であっても、概ね飛ばし読みされたとしても、誰かに伝えるためには書くよりほかない!話すよりほかない!となりました。(ので、書きます^^)
しかもアウトプットすることによって、自分から自分へのフィードバックとしても感じられましたしね。

今日は、オリジナル商品ではないけれど、さいえを構成する要素として、ブランド(仮にそんなつもりで)のアイデンティティを構成するような取り組みとして、非常に有効なんじゃないかな?と思えた、先日の出来事について、まとめておきたいと思います。

中野表具店さんを訪問

最近だと、「表具って何だっけ?」と、聞いたことはあっても何を指すのかさえ、ちょっとぼんやりとしかわからないような普段の生活から少し距離ができてしまっている感のある言葉であり、生活様式。
紙の戸や屏風、間仕切りや掛け軸なども表具屋さんの仕事の範囲となります。

さいえはそんな表具屋さんに、何をしに行ったかというと、
表具屋さんの扱う紙が高価であることは知っていたので、さいえの商品をより良くするためのラッピングや添えるものを紙で表現できないか、と模索しに行きました。以前、谷町六丁目のやままちギャラリーで、建築設計事務所Morizo-さんにおじゃましていたころのご縁あっての訪問。普通なら、無礼な見学だったかもしれません。

さいえにとっても、行ったはいいが何をどう依頼するか、まだわかっていなかったので、いろいろと頭をフル回転させながら話を聞くことになりました。

襖紙は今もすべてがmade in Japan!
コロナショック下で一時、海外からの輸入がストップし、建築の材料などは作業がストップするという事態もあったようですが、襖紙や和紙の供給は通常運転だったそうです(「供給はあるけど、需要がない!」なーんて、言葉を聞いて笑いつつ^^)。
紙にはいろいろと種類があり、型紙で紋や柄をプリントしたようなものから、木版で模様を摺るからかみ、薄く光を透過させる手漉き和紙など、日本の紙のバリエーションに唸らされます。そして、驚くのはその美しさ。かわいさ。丁寧さ。どれもこれも宝物でした。

手漉き和紙

サステナブル(持続可能な)社会って、日本は昔そうだった!?

襖や障子はあくまで紙。さすがに破れたり壊れたりしたら、新しく取り換えなければならないよね、日本の家や家具は昔は壊れたところだけ修理し、そもそも長く使えることを想定して作られていた…と話していたところで、「サステナブル」というワードが飛び出しました。2015年に国連でも採択された「SDGs」(持続可能な開発目標)、世界中が今掲げている社会の形ですが、そもそも日本家屋はサステナブルな部分が多くあり、和紙は1枚は高価だけど、使い捨てを想定していないなら当然の価格でもある、と納得できます。手漉き和紙は1000年残るという話も聞きます。

「サステナブル」な社会に注目が集まる今、しかもコロナによって人々の価値観に疑問が投げかけられる中、素材やデザインが優れていることはもちろんだけど、襖が持つ特徴、和紙が持つ特徴そのものが、サステナブル社会の生活仕様に対するメッセージを持っている、と感じました。
それは、単純に言うと「捨てることを想定して作られていない。」ということ。
なんだか当たり前のことだけど、今、私たちが買うものの多くが「捨てるかもしれないもの」なんじゃないかと。思いました。

捨てないものなら、それは朽ちたり、なくなったり、壊れたりしたとき、その時はその時で直しを考えるのだろうけれど、買う時、設置する時など、初めの時は宝物を集めるのということだよね。
と、再び宝物のイメージが浮かぶ私でした。

さあ、こんなにハードルを上げて、一体さいえは、この素晴らしき紙をどうするというのだろうかw
無駄遣いしてしまいそう~~と少しプレッシャーに感じつつも、和紙や襖の持つメッセージ性に思いを乗せたいと思う。そのメッセージを伝えることだけはやりたい!さいえにできる部分はそれなのではないかな。と、小さな希望を持ってみたいと思います。

さいえはmade in Japan がこれからもその価値の形を変えつつも続いていってほしいと思っているので、皆さんに和紙の奥深い魅力に少しでも触れてもらえるような工夫をしていきたいです!楽しみにしていてください!

あと、残念なことは、ほんとに手に取ったときに感動する(私は特に紙好きなので^^)くらいきれいな紙なのに、どうしてもうまく写真に撮れなかったこと。次回、紙の撮影がんばります^^紙についてもまた、次の機会にもう少し説明していきたいなって思っています。

この度は中野表具店さん、誠にありがとうございました。
仕入れた紙は、さいえで煮るなり焼くなり…となってしまいますが、あきれないでいただけたら嬉しいです。

表具のご用命は中野表具店さんへ!
http://fusuma.jp/