在庫限りの器－花びら小鉢

2021年9月3日 2021年9月8日

在庫限りの器、もう入荷の予定がない器というのは、陶器などのテーブルウェアでは『あるある』なことだと思います。さいえは、そうは言っても陶器の種類は少ないので、言えたもんじゃないのですが。イメージとしては、服に似ていて、そのシーズンに出ているものはもう来年にはない。もう少し流れはゆったりしつつも、そんな感じじゃないでしょうか。

そんな中でも、今日紹介する花びら小鉢は、さいえの中でも『懐かしい』雰囲気をまとった、ちょっと時代を送ってきた感じの器です。

陶峰窯-さいえオリジナルの器

器ができるまでの経緯

かなり前のブログでは、さらっと紹介していたこちらの花びら小鉢。
京都の陶峰窯さんというところで制作していただいたものです。

陶芸のことなどほんとーーーに何も知らない頃（今もあまり変わっていないけど）、お客さんとのお話からヒントを得て、「こんな器を作ってほしい」と、相談させていただいたのが陶峰窯さんでした。染付という伝統工芸の技法の器を専門に作られている窯元さん。
当時もかなりご高齢の職人さんが作ってくださって、「こんなご高齢の方に作業してもらって・・・いいのだろうか・・・」と、思ったりしました。なにもわかっていなかったからこそ、私は無茶ぶりしていることにも気づかないまま、職人さんは職人さんとして、お仕事してくださったのだな、と今から思うと感謝しかありません。

商品の特徴

小鉢は『花びら小鉢』と名付けて販売しています。
ご高齢の職人さんに「申し訳ない！」と感じつつも、その世代の方の出せる雰囲気もあるものだなぁと、しみじみ感じていました。新しいものなのに、雰囲気としては昔からあるような、骨とう品やさんにあるような、時代を超えた感じも、私個人としては好きです。

染付は簡単な線と丸で構成されています。
凝りすぎないところも、かわいいと思いませんか？
滲みなどもあります。
もちろん手書きだからです。

器の本体は、白磁。形成もろくろでされていて、薄造りが自慢です。
機械であれば、これくらいの薄造りは可能だと思いますが、手作業で薄くて軽い器を作られています。最近は、軽いことは人気のポイントですが、薄いことはそこまで重宝されていないように思います。
昔はこの薄さが、高級感を作る見どころだったのだと思います。
今は・・・、強度が大事なのかなぁ～～。庶民なので、高級感については、ちょっと疎いので、ごめんなさい。

薄いので、強度があるとは言えないのですが、『薄さ』にもどこか日本らしい繊細さを感じてもらえたら嬉しいです。自宅では、お漬物を盛り合わせたり、おひたし、ちょっとした煮物などに使っています。

取り扱いの注意点

薄いため、衝撃には弱いです。重い器にただ重ねるだけでも、割れる恐れがあります。
買っていただいた方で、「割れた」という話も聞きました。特別何もしていないときに割れる、という場合は、日々のちいさなダメージを蓄積していて、ある日割れてしまうことがあります。（ちょっとガラスに似ているかも）
なるべく過保護に使ってあげてください。
レンジや食洗器は使えないことはないですが、おすすめはしません。ぶつけたり当たったりすることをなるべく避けてご使用ください。

陶峰窯の他のシリーズ

小鉢の他も、ほとんどがOEMと言いますか、さいえ店長の要望を聞いて作っていただいているものです。

花びら小鉢の模様違いの小鉢もいろいろあります。
数がそろっていないものがほとんどです。

カップなども少しあります。

在庫限りのワケ

先ほども言いました通り、ご高齢の職人さんに制作していただいておりましたが、今後はもう陶峰窯の器の入荷はありません。それぞれが売切れて終了となってしまいます。寂しいですが、個人的にはゆっくり販売して、気に入ってくださる方が現れるのを待ちたいな。と思います。

店頭販売の時、やはり１点ものを販売していて一つ一つのアイテムの経緯を多少知っている中で、アイテムが選ばれるたびに、「やはりこの人に選ばれたか！」というような妙に納得のいくことが多々ありました。（ご本人には言わないですが）オンラインショップになってからは、なかなかそういった実感は持てないのですが、きっとご縁のある方に選ばれていっているのだ！と思います。

これからも、焦らずゆっくりと販売していきたいと思っております。
さいえの中でも、仕入れてからかなり時間が経ってきて、なんだか本当に骨とう品の雰囲気を持ちつつある器。
良ければ、チェックしてみてください。
長期保管になっているため、少し値下げをしているアイテムもあります。